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論述問題の考え方

現在、私の対策講座に参加してくださった方に向けて、論述解答の添削を受けております。

みなさんの解答を見た感想と、それに対する考え方を書いてみますね。

 

まず全体的に言えるのは、問1に不足がみられるということです。

問1は、逐語に書かれている相談者の発言から読み取れるものであり、繰り返していることや感情の言葉など、みなさんもチェックしながら読み進めていると思います。

そもそも、逐語に書かれていることを拾うのですから、さほど難しくない、と感じている方も多いのではないかと思います。

ですが、ここで不足(拾い損ね)があると、これ以降の解答のすべてに影響を与えます。

 

論述試験とはいえ、キャリアコンサルティングです。

まずは、相談者が何を相談したくて来て下さったのか。

これが捉えられなければ、面談として成立していかないですよね。

価値提供にならないわけです。

 

問1は、逐語に書いてあるから簡単、と思わず、きちんと相談者に寄り添ってくみ取って、尊重していきましょう。

その訴えに対し、迷っているのか、どうしていいのかわからないのか、困っているのか、悩んでいるのか、きちんと着地した表現で書ききりましょう。

 

そして問2では、その相談者の訴えの中にある問題点を見ていきます。

あくまでも、相談者の訴えの中にある、ということです。

それが大切な根拠となり、キャリアコンサルタントの準拠枠ではないよ、ということの証明にもなると考えます。

ただ、みなさんの解答を読んでいて感じるのは、かなり冗長であり、纏まっていないということです。

さらに、言葉だけが独り歩きしている感じですね。

たとえば、自己理解不足や仕事理解不足。

この言葉を使えば、きっと当てはまっているだろう、という気持ちで書いていたのでは、真の問題把握とは言えないと思いますよ。

 

こんなことを相談したい、解決したい、と思っている相談者(問1)に対し、相談者は気づいていらっしゃらないけれども、解決に役立つ問題に気づいていますか?というのが問2です。

問1が不足していれば、問2だって不足します。

面接試験でも、問題把握力の点数があまり伸びない方は、ここをしっかり書けることが重要ですね。

 

 

問3では、そんな相談者に対し、何をしてあげたらいいだろう、という戦略です。

ここまでくれば、問1が不足すれば問2も不足する、ということは、戦略も浅くなる、ということがおわかりいただけると思います。

また、みなさんの解答では、結局このキャリアコンサルタントは、相談者に対して何をするのだろう、ということが伝わらないことが多いですね。

「自己理解を深めてもらう」と書いていたとしても、どうすれば自己理解が深まるのかが書かれていません。

自己理解と一口に言っても、この相談者は自分自身の何に気づいていないのか、それに対してどうするのか、がほしいところです。

 

また、相談者の問題→キャリアコンサルタントとして捉えた問題→そのための解決法、という筋が、まったく無視されている解答も見受けられます。

書かれている展開は、確かに具体的でなんだかよさそうに見えるけれども、そもそもそれを悩んでいたんだっけ?というものもあったりします。

それでは、「この逐語に書かれた相談者」のためになっているかどうか、疑問ですね。

 

 

個々の問に対する「解答の書き方」が充実しているのは重要かもしれませんが、逐語に書かれた相談者のために考えているのか、という筋の通った解答も、非常に重要だと思います。

(私の講座では、ラインと表現していますね)

 

 

あと数日。

ご自分で書いてみる、という勉強を、ギリギリまで頑張る!という方は、書きっぱなしにするのではなく、きちんと読み返し、上記のポイントを押さえているかどうかを振り返ってみてくださいね。

 

一人では難しい…という方は、ぜひ、前日論述勉強会にいらしてください。

講座ではないので個別指導とまではいきませんが、簡単なコメント程度はしてさしあげられると思います。

お問合せください。

(会場は、東京都中央区になります)