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国キャリ論述試験の考え方

今までは、国キャリの実技試験について、面接への考え方には触れてきました。

今回は、論述試験について、考えてみたいと思います。

ただし、協議会の問題を参考にしています。

 

問1ですが、相談者の発言を受けて、キャリアコンサルタントとしてどんな発言をするか、ということですよね。

一般的には、伝え返し等の応答をされるのかな、と思います。

大切にしてほしいこととして、急な言い換えなどは、まだ面談は始まったばかりということを踏まえ、高度かなぁと思います。

言い換えの時に重要なのは、まずは、相談者さんの発言を受け留めてから、ということになります。

今回、受け留め→言い換え、もあるのでしょうが、ちょっと難しいのかな、と思います。

シンプルに、伝え返しでもいいと思いますよ。

ただし、そのコンサルタントの発言を受けて、また相談者さんが発言されます。こことのつながりも重要です。

伝え返しをして、さらに何か深める問いかけをしている、という印象ですね。

 

問2は、いわゆるキャリアコンサルタント視点でどんな問題を捉えたか、ということです。見立て、と表現されている講座もあると思います。

自分なりに悩みどころがあっていらしています。

こちらとしては、なぜそれを悩むのだろう?という背景などを考えてみてください。

今の仕事はやりたいことではないから、やりがいがない。

そういった発言は、どんな気持ちから来ているのか。

やりたいことではないのに、配属されたのはなぜか。

そもそも、自分自身のやりがいとは何なのか。

仕事はやりたいことだけができるものだと考えているのか。

今の仕事で発揮できているスキルや強みはないのか。

今の仕事で培っていくことは、今後、利用価値があることには気づかないのか。

 

いろいろなことが考えられると思います。

単純な表現として、何らかの思い込み、自己理解不足、仕事理解不足、会社視点の不足、制度理解の不足、自身のキャリアビジョン、キャリアプラン、ライフプランが不明瞭、などがあげられるでしょう。

ただし、こういったストレートな言葉を使う場合、どんな部分からそれを感じたのか、根拠が明確であることが重要です。

何も、具体的に発言を拾う必要はありません。

(例えば、CL4の「〇〇〇~」について、というような書き方です。あっという間に記述スペースが足りなくなりますよ。書くのであればシンプルに)

 

問3は、相談者さんの悩みを見立てをしっかり捉えたうえで、何をご提案することが支援策として有効か、という視点で答えます。

(1)は、2種類、記述しますが、どちらも1行ずつですよね。

単語だけでなく、しっかり文章を意識して考えてみてはいかがでしょうか。

要点が1行にまとまっていれば、いいわけです。

ですが、回りくどい表現などはやめましょう。

できれば、問2で捉えた見立てを踏まえ、さらに、相談者さんの抵抗感がないものがいいですよね。

やるつもりになっている、という返答があるわけですから。

さらに、(2)では、どちらかを選んで面談中での働きかけを記述していきます。

面談中ということですから、具体的な手順として意識しておきましょう。

これは、どちらかでなければ配点ゼロ、というわけではないと思います。

ただし、(1)で書いたことが、どちらも的外れであれば、わかりません…。

単純な考え方ではありますが…。

(1)に、

①ご自身のやりたいことややれることを今一度考える機会を持つ。(自己理解不足への支援)

②現在の仕事で身につくことや、そこから会社がAさんに身につけてほしいことを考える機会を持つ。(仕事理解不足への支援)

というようなことを書いたとします。

そして、どちらかを選んで手順を(2)で書いていきます。

その際、①であれば、自己理解不足への支援策を、どんなことを、どんな手順で進めていくのか。面談中の働きかけ、ということですから、いきなりホームワークでは、どうかと思います。

面談中、会話の中でどのような問いかけをすると自己理解を深める機会となるのか、考えていきましょう。

もちろん、最後にホームワークを加えてもいいと思いますし、選ばなかった方策への投げかけをすることで、どちらもこの方への支援には大切である、ということを表現することもできるような気がします。

 

一般的な面談のプロセスとして、どんな手が考えられるのか。

意思決定を支援したいのなら、どんな手順がいいのか。

求職者のマッチングには、何が有効なのか。

それは、どんな進め方が有効なのか。

具体的なことをイメージできるようになりましょう。

ただし、この相談者のために、という視点を忘れないようにしたいものです。

どんな逐語にも通用する解答は求められていないと思いますよ。

キャリアコンサルティングは、目の前にいる相談者とのライブなのです。

いかに、その方に合った、その方と一緒に作り上げた、オーダーメイドの方策が考えつくか。

それは、相談者を理解しようとする姿勢や、気持ちや考え方を尊重していこうという、コンサルタントのあり方が表れます。

そのうえで、専門家として視点をエッセンスのように加えるわけです。

 

 

試験まではあとわずかですが、頑張ってみてください。