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論述の考え方 その1

 

論述問題を解くとき、どのように取り組んでいますか?

 

いろいろなやり方があると思います。

 

 

 

今日は、まず問1について、考えていきたいと思います。

 

 

 

みなさんは、試験がスタートしてすぐ、まずは逐語記録を読むところから始めると思います。

 

その際、CLの発言をチェックしながら読まれている方が多いのではないでしょうか。

 

鉛筆やシャーペンで線を引きながら、丸をつけながら、また、マーカーで色分けしながら、いろいろですよね。

 

(マーカー使用については、当日の試験会場や試験監督によって違いがあるかもしれません。もちろん、練習では使用しても構いませんが、当日の試験会場で使えなかった場合も考えておく必要があるでしょう。)

 

 

 

みなさんは、どんなところにチェックをされますか?

 

一般的には、感情の言葉や繰り返し発言しているワードなどに着目されると思います。

 

これが面白いもので、チェックだらけでどこも落とせない、と感じるケースが多いようです。

 

みなさんはどうでしょうか?

 

 

 

また、チェックはしたものの、これを文章にするのはどうしたらいいのか。

 

書いては消し、消しては書き、を繰り返す方もいらっしゃると思います。

 

 

 

前々回から、解答用紙が変わりましたよね。

 

問1についても、1行増えたようです。

 

(今回がどうなるかは不明です。)

 

また、枠線も追加されました。

 

 

 

このチェックをしたあと、一気に書き始める方もいると思います。

 

また、余白にメモしていく方もいらっしゃるのでしょうか。

 

 

 

今回は、このチェックをどう考えるか、という視点で書いてみますね。

 

(あくまでも、私の考え方です。)

 

 

 

相談者のお話を「全体感」で捉えると、いくつかの状況の中で、さまざまな考え方や気持ちがある、ということがわかります。

 

この「全体感」の中から、状況をフレームとして捉える事ができると、文章化しやすいのではないか、と考えています。

 

 

 

例を挙げますと、時系列という考え方。

 

「入社し、数年後に異動をし、また異動の内示があった。」という状況であれば、時系列で考えやすいですよね。

 

まずは一本、横に線を引きます。

 

そして、入社時、1回目の異動、2回目の異動内示、と印が入れられます。

 

これが、「全体感」における状況のフレームになります。

 

ここに対して、逐語記録の中でチェックをした相談者の発言を書き加えていくわけです。

 

その状況を、どう捉えたのか。また、どう感じたのか。

 

何が良くて、何がイヤなのか。

 

それに対して、何か行動は起こしたのか。

 

周辺の環境はどうか。

 

 

 

1回目の異動は希望がかなった状態であれば、満足感やうれしい気持ちも書き出せますね。

 

また、その異動先で何をしたのか、これからどうしたいと思っていたのか。

 

そして、2回目の異動の内示について、どう感じているのか。何を考えたのか。

 

 

 

こういったことを、そのフレームに対して書いていくことで、相談者が何を言いたいのか、文章化しやすくなります。

 

特に、時系列整理の場合は、順を追って説明していくことができるので、非常に整理がしやすくなります。

 

 

 

 

 

気をつけていただきたいのは、「何を相談したいのか」という表現ではなく、「相談したい問題は何か」と問われています。

 

「相談したい問題」とは何でしょうか。

 

 

 

自分自身が希望している「何か」があり、それがかなわない障壁がある。それが「問題」かな、と感じます。

 

たとえば、異動の内示がイヤである。という大枠があった場合、異動がイヤで相談したい、という結びになるかと思います。

 

ですが、「問題」となると、少し視点が変わります。

 

何か望んでいることがあるにも関わらず、それが異動によってかなわなくなることが「問題」だ、という考え方です。

 

前回の記事で、イヤなことだけにフォーカスせずに…というニュアンスのことを書きました。

 

論述でも、その点を考慮して読み取ることができるようになると、面接試験に向けてのトレーニングになると思います。

 

 

 

今まで通り、相談者の思いを使って書いてみた後、この「相談したい問題」という考え方で、読み直しを行ってみるといいでしょう。

 

単純に、まずはスムーズに書けることを意識してトレーニングするのであれば、上記のフレームという考え方を使って、メモをしながら進めることもいいと思います。

 

 

 

実際には、60分で書きあげねばならず、書くスピードも問われます。それでいて、できるだけ読みやすい字で書きたいですよね。

 

 

 

次の問2に関する記事は、また数日後になってしまうと思います。

 

それまでの間、過去問を用い、このメモ→文章、という流れで、過去問題と向き合ってみてもいいのではないでしょうか。

 

次回以降の記事にも書きますが、この問1の捉え方によって、先の問題の充実度が変わってきます。決しておろそかにはできない問1です。

 

なぜなら…。

 

相談者さんは、相談したいことがあるからキャリアコンサルティングを受けられています。

 

その方が訴えていることをきちんと理解することができなければ、お役に立てないわけです。

 

となれば、この問1で、しっかり相談者さんが言いたいことを捉えることが、論述試験であっても、面接試験であっても、もちろん、実務であっても重要です。