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相談者のために何をするのか

キャリアコンサルタントとして、相談に来てくださった方へ何をすればいいのか。

わかりますか?

これがわかることが、「問題把握」となります。

 

信頼関係の構築に努めながら、どうにも一人では解決できない(と思っている)ことを、理解するための時間を過ごしていきますよね。

異動先の仕事がうまくいかない。

昇進できず、納得いかない。

この先の働き方をどうしていったらいいのかわからない。

こういった相談事に対し、具体的な状況や、それに対する思いを話していただくことで、「何を相談したいのか」が理解できるようになっていきます。

これが、CL視点の問題となります。

相談者の方が、自分で気づける問題点です。

今までやっていた仕事と違うから、何も発揮できないし、向いていないと思う。

裏を返せば、今までの経験を発揮したいと思っているのでしょうし、合う仕事がしたいのでしょう。

相談者の主訴を共有する時、「異動先のお仕事では、今までの経験が発揮できず、向いていないと思っていらっしゃるのですね」とお伝えする方が多い印象です。

それよりも、「今までの経験を発揮したい、合う仕事がしたい、と思っていらっしゃるのですね」とお伝えしてみたらいかがでしょうか。

「~をやりたくない」という気持ちで相談に来ていらっしゃるのですが、「~がやりたい」という気持ちを共有した方が、前向きな変化につながりやすいと思うのです。

(あくまでも、私の考え方です。)

 

その際、違う仕事だから、発揮の仕方がわからないのかな、とか。発揮できることがあるのに気づいていないのかな、とか。

はたまた、発揮できないって思いこんでいるなぁ、とか。合わないって決めつけてるよなぁ、とか。

そんなふうに感じられること、ありますよね。

これが、キャリアコンサルタント視点の問題です。

ザックリ言うと、自己理解(興味関心・スキル・価値観)や、仕事理解(仕事内容そのもの・求められているスキル・会社からの期待や立場変化)などが、欠けている状況でもあります。

 

この両方を、きちんと捉えていくことが、評価区分の問題把握になります。

 

論述試験で言う、問1と問2ですよね。

 

この問題点は、必ず両方とも把握する必要があります。

試験的はもちろんのこと、実務でも重要なポイントです。

ここを捉えるために、丁寧に、具体的にお話を聴いていくのだと思ってください。

 

傾聴だけで話がぐるぐるしてしまい、先に進まないという方もいるようですが、たいていは「何のために傾聴しているのか」が不明であったりします。

最低限、ここまでは理解できるよう、そして共有できるよう、心がけていきましょう。

 

キャリアコンサルタントとして、相談者のお役に立てることは大切ですし、それを心掛けている方も多いと思います。

相談者のために何ができるだろう、と思ったら。

きちんと問題把握ができているか、そして、相談者と共有できるか、を念頭におきましょう。

どうなりたいのか、どうしたいのか。それがわからなければ、何もお役には立てませんよね。