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「自分で考え、自分で決める」

先日、うちの学生への授業として、履歴書の書き方を指導しました。

履歴書の左側にあたる部分は、とりあえず注意点を説明しつつ、記入させます。

そして肝心な右側。

最初は志望動機を書きます。

そこで、いきなり志望動機として文章化するのではなく、少しずつ書き進めていこう、ということでワークを行いました。

 

現時点で、すでに一社目の応募先を決めている学生もいれば、方向性すら決まっていない学生もいます。

まずは、応募先が決まっている学生には、

・なぜ、その仕事がしたいのか

・なぜ、その企業なのか

・何ができるのか

・その企業で何がしたいのか

の4点を、順を追って書いていくように、と説明し、進めていきます。

 

方向性だけはおぼろげながら決まっている、という学生には、1番目と3番目を書かせます。

何も決まっていない学生にも、これはやってもらいました。

 

書いてもらっている間、質問を受けつつ、全員を見守っていたのですが…。

 

なぜその企業か、というところに、「先生の紹介」と書いている学生がいました。

先生が紹介してくれたから、応募するの?と問うと、紹介してもらって、今はそこでアルバイトをしている、と。

あ、そうじゃなくて。

紹介されてアルバイトをしていて、そのままそこを自分の就職先として決めてもいいと思っているの?と再度、問いました。

そうですね、と答えたので、何で決めてもいいと思ったの?と聞くと、紹介されたから、と前に戻ってしまいました。

 

う~ん…。

 

自分がその会社で働くことを、プラスのイメージを持って想像できているのか。

また、別の会社ではダメだというほどの理由も持っているのか。そもそも、どんな仕事を、どこでするのか、考えたことがあるのか。

 

自分の人生です。

なぜ、自分で考え、自分で決めようとしないのでしょうか。

不思議で仕方ありません。

 

当校の学生の中には、このような考え方の学生は、そう多くはありません。

ごく一部の科にだけ、存在しています。

教員がいつも、企業を選択し、そのまま紹介し、それで決まってしまうからです。

その分、内定は早く決まりますよ。

ですが、実は、一番、離職率の高い科なのです。

今までずっとこのやり方で指導をしていたらしい、科。

でも、本年度の調査で分かった、この科の離職率の高さ。

実はじわっと問題視されています。

私への相談が一番、少ない科でもあります。

 

年齢はまだハタチにもならない。

昨年の今頃は、まだ高校生。

そんな彼らに、これから自分が働く場所や人生を、自分で考えなさい、と言っても、難しいのかもしれません。

それでも、少しずつでも考えていけるよう、私は関わっているつもりです。

できれば、その科の教員たちのも、同じ気持ちをもってもらいたいのですが。

なかなか大変ですね。

 

でもやっぱり。

自分の人生です。

自分で考え、自分で決める。

それが大切だと思っています。