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学生が変わる瞬間

就職活動をしている学生が、グッと変化する時があります。

今まで、自己理解や仕事理解が浅かったり、言葉数が少なく十分に自分を表現できなかった学生。

丁寧に深めていくことで、変化が生まれます。

 

GW前に提出してくれた履歴書。

いろいろと言葉を変えてみたり、面接風に深掘りをしてみたり…。

でも、どうもうまいこと書けません。

私から見たその学生は、言葉が少なく、お口が重いタイプ。

教室の隅っこで、確かに来てはいるのですが、存在感の無い。

コミュニケーションも苦手で、それは本人も自覚していて。

だけれども、誰よりもまじめで実直。

コツコツと物静かに作業を進め、スピードはないけれど、正確に仕上げてくる。

そんなタイプの学生です。

 

彼のいいところ、きちんと企業の方に伝わってもらいたい。

その彼のよいところが十分に活かせるお仕事なんですから。

 

実は今日、履歴書を持参して採用試験です。

一般常識、適性試験、作文、という筆記試験を行い。

その後は面接です。

 

GW前。

どうにか彼の履歴書を良いものにしたく、また、明けてすぐの面接に備えて、自分をわかっている状態、表現できる状態にしたかった。

まずは、履歴書や面接での質問につながるような、細かな質問用紙を彼に渡しました。

それを、箇条書きでもいいから考えて、メールで送ってくるように、と宿題を。

言葉少なに戻ってきたメールをもとに、さらに深掘りをする質問を追加して再提出を促します。

なぜ、そう思ったのか。

そう考えたきっかけは何か。

工場長の説明の、どの部分が魅力だったのか。

先方の従業員の方が落ち着いて作業しているように見えた理由はなんだと思うのか。

など、一つ一つの質問に対する彼の解答を、さらに突っ込んで聞いていきます。

 

すると、最初の解答を変更する質問事項が出てきました。

また、今まで聞いたこともなかった経験が書かれているのです。

 

その2回目の提出をもとに、どことどこをつなげると志望動機となり得るのか。

どの部分をもう少し具体的にすると、自己PRのことになるのか。

などのアドバイスをし、履歴書の項目を文章化することも促しました。

 

それがメールとして提出されたのが5日の夜。

わあああああああああ!

GW前に見た彼の履歴書とは段違い!

少しずつ少しずつ、彼の気持ちをほぐしていくように対応したことで、こんなにも大きな変化があったなんて!

 

言葉尻を少しだけ修正し、清書するように伝えました。

そして昨日。

それをもとにして面接の練習を。

 

今まで言ったことの無かった経験、なぜ言わなかったの?と尋ねると、「大した経験だと思っていなかった」とのこと。

でも、聞くと、本当に彼の良いところを十分伝えられる経験だったのですよ。

だから、自分で切り捨ててしまわずに、すべてをお伝えしていこう、とアドバイスしました。

そういった、一つ一つの細かな体験こそが、あなたを形作っているのだし、その本当の自分自身を見てもらった方がいいんだよ、とも伝えました。

 

そして今日。

彼の良いところが十二分に発揮された時間を過ごせているといいな、と思います。

そして、そんな彼に、良い結果がついてきますように…。