前回の記事では、問1と問2について考えていきました。
問1では、書かれている逐語の中にある、相談者の状況や思いについて着目していきます。
そして、問2では、その相談者の状況はなぜ起きているのだろう、という視点が必要です。
問3では、それをふまえて、どんな展開をしていくことが可能だろうか、ということになります。
面接試験では、実際にそれを相談者さんに問いかけ、確認し、共有しながら進めていくことになります。
ですが論述試験では、相談者の意見を聞くことはできません。
つまり、「それは違う」とか、「できません」「やりたくありません」というような、否定的な反応は無いものとして考えていけるわけです。
だからといって、一方的でいいのでしょうか。
押し付けてしまっても、良いのでしょうか。
問3で気をつけていただきたいのは、
・具体的である
・一方的ではない
・細目を意識している
・最終的に、この相談者の気づきや行動変容、もしくは解決への一歩となっているかどうか
このあたりになるのかな、と思います。
受検生の解答を読ませていただいて感じるのは、自分ができそうな案を並べているだけ、というものです。
また、進め方のタイトルだけを並べている、というものですね。
唐突に「職務の棚卸をしてもらい、自己理解深める」と書かれていて、ハテナ?と思うこともしばしばです。
悩んでいる相談者さん。
自分に自信がもてない相談者さん。いきなり、職務の棚卸は可能でしょうか。
一方的であり、また、具体的ではありません。
自己理解を促すのは、職務の棚卸だけですか?
ほかに何かできますか?
また、職務の棚卸は、決められたフォームのシートを記入してきてもらうだけですか?
渡されていきなり書けますか?
自己理解というのは、興味関心・スキル・価値観について、考えてもらうと深まります。
その場合、今まで・今・これから、という時系列視点も欠かせません。
何をどのようにすることで、自己理解が深まるのか。
仕事理解も同じことですね。
さらに、思い込みや決めつけがある場合、「認知のゆがみ」というワードを問2に書く方は多いのかと思います。
この思い込み。
どのように正して行きましょうか。
一般的には、論理療法や認知、認知行動療法などが用いられるケースが多いと思うのですが、そのプロセスをきちんと文章化することができますか?
私自身は、かなり難しいことだと思っているので、書けませんよ…。
そのほか、中長期の視点であるとか、環境とのかかわりについても、実行案としてあげたいところです。
問3は、企画書であり手順書である。
これをこの相談者の悩みや問題に合わせて考えることができる。
それを文章化し、論理的な進め方として言語化することができる。
誰が読んでも、何をしようとしているのか、きちんと伝わる内容である。
このあたり、きちんと意識して書いてもらいたいな、と思います。
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