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プロセスと区切り

2級受検者の練習を見ていて感じたことを、少し書いてみます。

 

私がまだ2級受検生であったころ、こんなふうに指導(アドバイス)される方が多く見受けられました。

「10分経ったら切り替えて」

「要約したらギアチェンジ」

これって、どういう意味なのでしょうか。

 

前半はむやみに質問をはさまず、傾聴を十分に。

そして後半は、コンサルタントとして気づいた問題点を踏まえた方策をしっかり話す。

そんな感じなのでしょうか?

 

プロセスは大切です。

ただ聴いていればいいのではなく、行動変容を促すことも重要だからですね。

試験の評価区分が、関係構築ー問題把握ー具体的展、となっていることを、少しだけ違う意味に捉えているのではないでしょうか。

後半、急に饒舌になり、説明や説得をしているとすると、それは違うのではないでしょうか。

プロセスはあくまでも「過程」であり、明確に区切りましょう、ということではありません。

 

昨日、個別指導をしていて感じたことでもあるのですが。

せっかく相談者の深い思いに気づき、それを伝え返すことで共有ができ、相談者にも気づきがうまれている状態で。

それが相談したいことなのだ、と共有できたにも関わらず。

それを解決するための共同作業に入ることをしていないのです。

これがいい、こうなりたい、というメッセージが語られたのなら、それを目指しましょう、と言えばいいのです。

これはいやだ、さけたいのだ、というメッセージが語られたのなら、ではどうなればいいのですか?と問えばいいのです。

 

要約という言葉を使って来談目的をただ繰り返すだけ。

その後、そのままあいまいな目標を投げかけ。

ファーストステップというよりは、3歩くらい先の方策を投げかけ。

せっかく深まった関係も、また離れて行ってしまいませんか?

 

プロセスと区切りは違います。

前半は相談者に寄り添い、後半は強引に誘導し連れていく。

そんな区切りではありません。

寄り添いながらずっと、隣を伴走しながら、一緒に進んでくださいね。

プロセスは自分が今、相談者と一緒にどこを歩いていくのか、の道しるべです。