先日、プロセスと区切りは違うのかな、ということについて書いてみました。
今日は、ではどのように進んでいくのか、ということについて、私なりの見解を書いてみます。
(ひとつの意見です。正解はこれしかないわけではありません。ご了承ください。)
関係構築が大切であることは、みなさんもご存じだと思います。
実際には、学んできた、いわゆる「傾聴」をしていればいいのか、ということとは違うのではないでしょうか。
もちろん、傾聴は大切です。
相談者を受容しながらお話しを伺い、共感的理解を示しながら進んでいきます。
でも、この基本的態度と言うのは、「お作法」にあたります。
あって当たり前の態度ですよね。
そして、傾聴と言うのは「話法」です。
会話を進める時に活用できる「技法」です。
ですから、トレーニングで身につけることができるのです。
でも、この技法を活用していれば、必ず信頼関係は深まって行くのでしょうか。
自分が何かを相談しようと思った時、相手を信頼できると感じるのはどんな時でしょうか。
やはり、「わかってくれた」という「感じる」ことが大切だと思われます。
つまり、信頼関係を深めていくためには、お作法と話法を土台とした対話ありきになります。
さらに、この状況に置かれた相談者は、どんな思いを持っているのか、この状況は相談者にとってどんな意味を持っているのか。
どうなれたらいいと思っているのか。
そういったことを理解するために、対話を重ねるのです。
そして、理解したことを言語化し相手に伝え、共有します。
共有できて初めて、「理解できた」ことになり、相談者は「理解してもらえた」と感じられます。
これが、関係構築です。
ここまでしっかり対話を重ねることができれば、「相談者が今日、一番訴えたいことは何か」が、来談目的そのままではないことがわかると思います。
受検生は、相談者の訴えを口頭試問で問われると、来談目的(送られてくる事例)を話している方が多くいらっしゃいます。
これでは、話が深まっていないのかもしれない、と感じてください。
プロセスの中で要約をしますよね。
この要約が、そのまま目標になっている受検生も多くいます。
要約後に、何を一番相談したいのか、いわゆる主訴を共有することを心がけてください。
それができれば、それが目標になり得ます。
また、共有した主訴に対して、捉えた問題点があれば、共有後にお伝えします。
お伝えし、なるほど、そうなのか…と受け入れてくだされば、それが問題把握となります。
把握した問題を解決するために、そのまま目標として共有するのが望ましいですね。
相談者が訴えたことをベースに目標を設定するわけですから、方策はそれを成し遂げるための第一歩目をお伝えしていきます。
棚卸しをやってきて、とホームワークを提案するケースが多々ありますが、やりますかね?
ハードル、高いと思いますよ。一人で棚卸しをやってくるというのは。
自分だったら、面倒じゃないですか?
次回、一緒に棚卸しをするための準備として、今、何をしてもらえそうなのか。
やれそう、やってみよう、そう思ってもらえるものをお伝えしてください。
先日の記事でも言いましたが、急にギアチェンジをするとか、そういうことではありません。
少しずつ相手に寄り添いながら、非言語も観察しながら、無理が無いように、でも少しずつでも進んでいる実感を持っていただけるよう、一緒に、が基本です。
最後の「具体的展開力」だけが未達で不合格になる、という方は多くいらっしゃいます。
具体的展開力の評価基準は確認できていますか?
「相談者の訴えを理解したうえで適切な目標を設定し」とあります。
訴えを理解しているかどうか、前半の対話にかかっています。
さらに、その対話の中に関係構築力の点数が含まれるわけです。
関係構築力60点だけど、具体的展開力が55点というのは、関係もあまり深まっていないからではないでしょうか。
私が教え子さんにお伝えしているのは、「関係構築70点を目指そう」です。
今週末の3連休に試験を受ける方、改めてご自身の面談をこの記事に沿って振り返ってみてください。
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