行動を促す関わり

キャリアコンサルティングの大きな目的として、行動変容があります。

相談後、一歩を踏み出せること、ですよね。

この行動変容ということについて、書いてみようと思います。

 

相談者の方へ行動を促すよう、関わって行くことが多いかと思います。

問題共有から目標を共有し、合意を得て、では、こんなことをしていきませんか?と問いかけていく。

もしくは、これをやりましょう、と励まして行く。

こういった場面は、よくあることではないでしょうか。

 

この時。

「行動」について、一般的な理論で考えてみましょう。

行動に対するアプローチには、いろいろな方法があると思います。

よくあるのは、「適切な行動を促す」ことと「不適切な行動をやめる」ことがあります。

行動療法でいう、学習理論などがそれにあたりますよね。

 

問題は、その行動が目の前の相談者の心理的ステップに合っているのか、ということです。

「何かをする」=行動、となった時に、自分が言いやすいこと、やりやすいこと、慣れていることを勧めてしまうケースが多いように思います。

2級技能士でいうと、「職務の棚卸をしてみましょう」というやつですね。

果たしてその職務の棚卸は、この相談者ができる状況、心情なのでしょうか。

 

やはり、カウンセリングの理論とスキルを使うことを考えた場合、まずは、その行動に移せるだけの「気持ち」が整っているのか、こだわりや決めつけなどの「考え・思考」に捉われてはいないか、も、見ていく必要があるのかな、と思います。

 

行動変容は重要です。

せっかく、貴重なお時間を割いて相談に来てくださったのですから、前向きな一歩を踏み出してもらいたいですよね。

となると、何をしてもらうことが、この方の「前向きな」につながるのか。

そこを考えることも、重要ではないでしょうか。