· 

『対話』を考える

明けましておめでとうございます。

2020年は、思いがけない出来事が世界中をおそい、思うように活動できない人が多かったのではないでしょうか。

それでも、少しでも良い時を過ごそうと、様々な努力や新しいチャレンジをした年でしたね。

今年はどんな年になるのでしょうか。

みなさんが、感染への対策を万全にしながらも、ご自身のお仕事や学びに対して前向きに進める1年になるといいな、と思っております。

もちろん、私も同じですね。

 

 

さて、今期からの実技試験では、「傾聴と対話を通して」という文言があります。

今日は、この「対話」について考えてみます。

 

まず、「会話」って、何でしょうか。

会話とは、二人または数人が、互いに話したり聞いたりして、共通の話を進めること。また、その話。とあります。

基本的には、二人以上が話をすることであり、深い意味合いまでは求められていません。

とりとめのない話であるとか、当たり障りのない話も含まれています。

 

一方で、「対話」とは、何でしょうか。

双方向かい合って話をすること。また、その話。

と、辞書では定義されています。

さらに、英語では「dialogue(ダイアローグ)」といい、相互理解のためのコミュニケーションという意味合いを持ちます。

会話は、二人以上の数人も含むのに対し、対話は基本的に二人、となります。

信頼関係を築いていくために、お互いを理解しようと進めていくイメージです。

特に、価値観の違いなどをすり合わせていくような印象でしょうか。

 

面接試験の細目では、この「対話」を通して、とあります。

「傾聴と対話を通して」です。

傾聴とは、お話を聴くためのスキルです。

このスキルを活用しながら、「対話」をしていくことが大切であり、そこから信頼関係が深まり、相談者の問題を理解していくことになるわけです。

 

今まで受検対策を行っていて、当たり前のようにお伝えしていたことなのですが、しっかりと細目に書かれたことに意味があると感じています。

受検生のロールプレイを見ていると、表層的な印象です。

会話しか、していないのでしょう。

もちろん、傾聴は意識しているのですが。

今回は、この「対話」について幾度となくフィードバックさせていただいています。

 

相談者が話してくれたことから、問題をこちらが気づき、確定し、提示する、ような状況が多くみられます。

これは、どうなのでしょう。

少し、コンサルタントの独りよがりに見える部分がありませんか?

問題に気づいたら問いかけてみる、そして、対話することで、確定していきませんか?

 

今日はまだお正月ですから、少しはのんびりしてほしいと思います。

ですが、次の練習の機会では、ぜひ、「対話」することを念頭に置いて、相談者に対峙してみましょう。

相談者とキャリアコンサルタントは、上下関係があるわけではありません。

対等です。

そして、この「対話」こそが、「共同作業」となると思います。