何を相談しに来たのか

私は日常、短大生の就職支援と、職業訓練校の受講生に対するキャリアコンサルティングの2を主な仕事としています。

(授業も含みます)

 

近頃は、あまり企業の方への対応はしておらず、「求職者」がターゲットの日々です。

こういった対象者との面談ばかりを実施していると、自分自身のスキルが偏っていくのではないか、という不安が生じます。

基本的には、「仕事に就く・就職をする」ことが相談者の希望です。

それをゴールにする考え方は好きではないのですが、いかに「希望する仕事に就けるか」ということを考える必要があるわけです。

 

そうではない、企業の方とお会いしているときというのは、いわゆる「主訴」というか、来談目的そのものもハッキリしていない方との面談が大多数でした。

「私はここで、何を話したらいいのでしょうか」と、第一声で言われることも多くありました。

それでも、無駄な時間にならないよう、その方のこれからの仕事が良い形で(本人の納得のいく状況で)進まれていくことを目指していきます。

丁寧にお話を伺っていきますが、その中にある、「ひょっとしたら困っているのでは?」ということをしっかりとキャッチしていけるように、進めていく必要があるのです。

表現は良くないのですが、私がそうキャッチしたことが外れることもあります。

ですが、投げかけてみないことにはわかりません。

困ってる?

違うのか。

じゃ、何だろうか。

という、双方向でのやりとり、すなわち対話こそが、目の前にいる人にとっての価値提供につながるのではないでしょうか。

 

いわゆる、問題を把握するということ。

キャリコンサルティングというのは、情報提供や提案に重きを置かれがちです。

逆に、「私はキャリアコンサルタントではなく、キャリアカウンセラーです」ともいうべき、傾聴が一番、大切でしょう、というところに重きを置く方もいらっしゃいます。

 

いかに相談者のお役に立てるか、ということを考えると、どちらも大切です。

傾聴することだって、必要な情報提供や提案をすることだって。

ですが、傾聴することによって、問題が把握できること。そして、問題が適切に把握できるからこそ、相手に合った情報が提供できること、と考えると。

 

やはり、問題を把握する力というのが、重要になっているように思います。

 

キャリアコンサルティングを実施する時。(もちろん、試験のためのロールプレイでも構いません)

目の前の人が、何を相談しに来たのか。

その、問題把握について、少しスキルアップをはかってみる取り組みが、大切になってくるのではないかと感じます。