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どこに力を入れて練習するのか

2級技能士の試験を目指し、ロールプレイ練習をしている方も多くいらっしゃると思います。

その際、どこに力を入れて練習するのか、を考えてみます。

 

ご自身の点数をふまえて練習される方が多いのかな、と思います。

よくあるのは、右肩下がりの点数になることです。

そう。具体的展開力だけ未達だった、という方。

多いですよね。

そうすると、なんとか方策まで言わなければ!と躍起になってしまうケースが目立ちます。

そこで注目してほしいのは、その時の関係構築力の点数です。

60もしくは65点であれば、ここを上げていくことが重要です。

 

態度や技法が、一定程度まぁいいかな、というときに60点くらいになる印象です。

これだと、相談者の訴えを深く聞けていない可能性が高いかなと思います。

表層的な感じで、口から出てきた言葉だけで対応している、というところでしょうか。

そこからさらに、何故そう感じたのだろう、どういう意味で言っているのだろう、と深めていくことが重要です。

 

例えば、「育休取得を言いづらい」という訴えに対して、「言いづらさを一緒に考えてみましょう」では漠然としていますし、曖昧です。

もちろん、相談者は言いづらいと言っているので、そこにフォーカスするのは重要です。

でもそれだけでは足りません。

そもそも、言いづらいってどういう意味で言っているのか?というところを気にしてほしいのです。

よくあるのは、「今まで課内で取得した男性がいないから」というやつ。

これだって、「自分が最初に言い出すのは躊躇する」ということや、「あいつ、取得するんだ」と思われるということ、いろいろあります。

さらに、「あいつ、取得するんだ」にも、深めるパターンがありますよね。

そう思われることをどう感じるの?と聞いてみることができます。

 

単なる、「育休取得が言いづらい」から、「取得すると申し出ることで、仕事より家庭なんだなって見下されるような気がして躊躇しています」というところに到達すると、問題は「育休取得は見下される存在だ」という思い込みがあることがわかります。

そして、ご自身は「見下されたくない」と思っているということです。

 

いかようにも捉えられる、相談者の語りについて、どう捉えることが相談者を真に理解することにつながるのか、考えてほしいと思います。

 

そうすることで、関係は深まっていきますし、今まで語られなかった奥にある思いにこちらが気づくことが出来、問題把握につながりますし、ポイントを絞ってその方に合った方策へとつながるわけです。

 

具体的展開力を上げるには、まず関係構築力を上げるための関わり、対話について、しっかり練習する機会を持ってもらえたら、と思います。