深く聴くとは?

キャリアコンサルティングを実施していて、相談者のお話を深く聴いていく、ということがあります。

もちろん、実技試験でも意識したいところです。

みなさんは、「深く聴く」ということをどのように捉え、また実践されているでしょうか。

 

丁寧にお聴きし、また誠実に関わることは意識されていると思います。

ですがこれは、あくまでもこちらの態度の問題です。

これを実践しているからと言って、必ずしも深いところまでお話してくださるとは限りません。

一緒に過ごす時間の前提であり、土台である、ということだに過ぎないからです。

 

丁寧に関わっていたとしても、相談者に起きている事象にだけ着目してお聴きしていては、まったく相談者を理解したことにはなりません。

実技試験への指導を実施していると、ここで止まっている方が多いなぁという印象です。

事象がわかったところで、目の前にいる相談者を理解したことにはならない、ということをお伝えしています。

 

では、どうしたら深く聴くことができるのでしょうか。

 

相談者がお話ししてくださった事象において、相談者はそれをどう見ているのか、ということに着目してほしいな、と思います。

その事象を、どう感じているのだろう、何を考えたのだろう、という部分です。

 

事実が事実として、起きたとき。

それをどう捉えるかによって、その方にとっての現実となります。

その現実が、その方の認知になるわけです。

事実が現実に変化していく。

そのプロセスに、その人自身があります。

ここを伺ってみないことには、相談者理解にはつながらない、ということを今回はお伝えしておきます。

 

面談をしているときの自分をしっかり振り返ってみましょう。

試験勉強ですと、録音をされる方も多いと思います。

聞き直してみたとき、自分は事象だけに着目していませんか?