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受検生に足りていないこと

2級技能検定を受けるにあたり、実技指導をずっと行っています。

みなさんの面談を見ていて気付くこととしては、「プロセスを気にしすぎている」ということです。

だからこそ、口頭試問の「できていない点」について、目標共有まで至らなかった点を伝えていくのでしょう。

 

信頼関係を構築していくことや傾聴をきちんと行うことについて、大切だということは理解しているはずです。

でも、問題を共有し、なんらかの目標に合意をもらうことを「必ず20分の中に入れなければならない」という囚われがあり、意識はすべてそこに向いている気がします。

だからこそ、本人としては「ちゃんとやった」という傾聴ですら、浅いものにとどまっているように見えるのです。

 

点数が戻ってきたとき、なんとか関係構築力が60点になってた。だからといって、信頼関係がしっかりと構築できていたのか、というと怪しい気がします。

だからこそ、問題把握力や具体的展開力が到達しないのです。

(もちろん、オール60で合格する方もいらっしゃいます)

必要最低限のことはやった、だけでは、相談者を理解したとは言えず、面談としては不十分だと考えられます。

 

相談者の訴えを本当に理解しようと関わること。そして、それが今日のテーマとして話し合うにふさわしいのかどうか、きちんと相談者と話し合って決められること。そういったことが、細目にある『傾聴と対話を通して、相談者の問題を合意』という部分につながるのだと思います。

 

来談目的でおっしゃったお話を、深くまた広く多面的に問い掛けながら、何が今一番、困っているのかを相談者を観察しながら、また必要に応じて質問もしながら、絞り込んでいくことこそ「対話」です。

自分自身の面談がどのようなプロセスをたどっているのか。

単純に「主訴」や「目標」を共有することだけがプロセスではありません。

少しずつ積みあがっていく様子をすべて、プロセスとしてできているか、振り返ってみましょう。